3話 花畑

 

 

 
『うーんシオンじゃないかもって思ったんだけど・・・・完璧シオンだわ。』

そう頷くレムの目にはイリアに抱きつかれて顔を真っ赤に染めてカチコチになっているシオンが映っていた。

「う゛っあ゛っ・・・そっその・・・泣くんじゃないーーー。」

(相当混乱してるわネ・・・・)

『もうっ相変わらずね!シオンでしょ!!私よわかる?』

「レム!?何でお前・・・・・・・・!!・・まさかこいつ・・・・」

「うんっボクだよシオン」

シオンは自分に抱きついている少女がイリアだと気づき驚きを隠せずにいたが

「ウリッ・・・いや・・イリアか 久しぶりだナ」

と次第に落ち着きを取り戻しいつもより少し優しい口調で言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇシオン何でこんな所にいるの?」

泣くのを止め、遠慮しながら腕を解き疑問に思ったことを伝える。

「・・・・・・・・・・・」

「どうしたの?シオン黙り込んで・・」

「・・・・・わからん」

「『えっ!?』」

2人が間の抜けた声を出す。

「だからわからねぇんだ・・。」

少し俯きながら難しい顔をして言う。

『えーーーーっわかんないのー!?』

顔をニヤつかせたレムが近づく

「うっうるさい!!いくら俺様が天才でもわからないことあるのだ!!!」

『わかんないくせに何威張ってんのよ!!!』

「なんだと!!ならお前わかんのかよ!このキャラメルのおまけがーーーっ」

『なんですってーーー!!!!』

 

「あはっはは」

 

イリアがいきなりお腹を抱え笑い出した。

「『!?』」

『どーしたの?いきなり笑い出して』

「なんか変なモンでも食ったんじゃねぇか」

心配した2人が駆け寄る。

「だっだって2人とも久しぶりに会ったのにもう喧嘩し始めるんだもん!!」

昔と変わらない言い争い繰り広げられ笑いが止まらない。

『そう言えばそうね・・でも全部シオンが悪いんだからーーっ』

「お前も十分悪いだろーがーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

『もう!いい加減笑ってないで助けてよー』

慌ててイリアの後ろに逃げてきたレムが叫ぶ。

「こらっ待ちやがれ!卑怯だぞ!!」

『いーーやーー』

それを聞いて笑いながら

「シオンそれくらいにしなよーこれからまた一緒なんだからっネ?」

すると、少し悲しそうに微笑みイリアとレムの前に手を出した。

よく見てみると彼の手は指先のほうから薄く透きとおっていたのだ。

「・・・・!!シオン・・これ・・・・・・・」

見る見るうちに顔が青ざめる。

「ムリなんだ・・・そのうち全身にまで広がって消えるだろうな」

『そんなっせっかく会えたのに・・・・・』

困惑しているレムをぎゅっと抱きしめイリアは黙り込んだ。

「イリア?」

急に無言になった彼女におもわず手を伸ばす。

その手が彼女に触れると思った瞬間いきなり顔を上げにっこり笑って

「シオン・・・一緒にあそぼ!!」

「ハァ!?何言って・・・!」

「うーーんっどこ行こっか?」

『イーリア♪もう少し進めばお花畑に着くってカイが言ってたワ』

気持ちに整理をつけたのか微笑みながらレムは言った。

「あっそっかーボク達そのお花畑見に来たんだよね!じゃっ行こうかーー」

2人の話について行けないで困った顔をしているシオンの手をとり走り出した。

「おっおい・・・・・!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シオーーーンこっちこっち!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

                          「ちょっと待てよ!!体力ないの知ってるだろーー」

 

 

 

 

 

 

 

『死人に体力なんてあるのかしら!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

                           「んだとーーーーーーー!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

『ベーーーーっ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人とも落ち着いてぇーーっ・・・・あっお花畑だ!!」

前方に見えたのは広大な土地に広がる色とりどりの花々だった。

『すごーーい!小さい花が集まってじゅうたん見たーい』

「花と大きさ変わんないヤツが何言ってんだか」

『なによーーっ』

またまた2人が火花を散らす。

「まぁまぁ2人とも!!んっ?すごーいっっあの花不思議ーー」

仲裁に入ったイリアだったが珍しい花でも見つけたのか走っていってしまった。

『あーーっ待ってよー』

レムはシオンをかわしイリアの元へ飛んでいく。

 

シオンは無邪気に花たちと戯れている元気な少女を見て、

 

 

 

ホッとした表情と自然にこぼれる笑みを向け

 

 

 

心地よい風に吹かれながら陽の下に立っていた。

 

 

 

 

 

 


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