夢を見た。














それはあたたかい何かだった。














たぶん・・・。














目を開けるとそこは一面が白い世界だった。
少し薄めのマントに包まって仮眠をとっていたバッツはぼやける視界に頭を振った。
未だハッキリとしない目を擦って起き上がる。
しんと冷え切った空気に思わず身震いをおこした。
左右に目をやるとフェミニストの小柄な金髪の少年と年下とは到底思えない大人びた男の姿、
そして消えて随分時間が経ったと思われる薪の跡があった。
知らない間に3人ともつぶれてしまっていたらしい。
昨日の見張りを誰だったか・・・首をひねったが答えは出てくることはなかった。
3人揃ってらしくない失態をしたもんだと欠伸をかみ殺す。
いつもならすぐ働き始める頭は今日は動きが鈍い。
夢心地が抜けない体は少しだるかった。
普段ならとっくの昔に2人を起こして朝食の準備に入っている頃なのだが・・・。
体に残る感覚がそれをさせてくれない。















目覚めるその直前まで何かを見ていた気がした。














でもそれが何かはもう覚えていない。
重たい体とは裏腹に心は驚くほど軽かった。
温かいと言うべきだろうか、よほどいい夢を見ていたようだ。














「何だったんだろう・・」














ぽつりと漏れた言葉は壊れゆく世界に響き渡った。














帰る場所の話
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